前半は日清戦争の話。これが司馬遼太郎の戦争観なのだねというのがよく分かる。やたらと産経新聞で賞揚されている理由もよく分かる。それは分かるのだが、日本側の視点のみを受容すればやはり碌なことにはならないだろう。司馬がそういう書き方をしているわけでないけど、中国に対しては同情したくなる。
後半は秋山真之の渡米(米西戦争の海戦を、アメリカの船に乗って観戦したりする)や正岡子規の晩年の様子。子規はもうかなり弱ってきていて、次の巻では早々に姿を消してしまう。その後は、最後の八巻まで日露戦争の記述が延々続くらしい。戦争マニアでも軍事マニアでもないので、ちょっと憂鬱だ。
- 作者:司馬 遼太郎
- 発売日: 1999/01/10
- メディア: 文庫