生誕百五十年を記念して刊行されつつある、岩波書店の「鷗外近代小説集」を買うことにした。全六冊中、既に手に入るのは第四巻(『青年』所収)と第六巻(『かのやうに』、『雁』、『二人の友』などを所収)の二冊。旧仮名遣い、新漢字、文字はやや大きめ、注が詳しい。前に刊行された「鷗外歴史文学集」と合わせれば、鷗外の小説、戯曲は皆読めるようだ。それに躍らされてしまった感はある。しかし、せっかくなので鷗外をずっと愛読する覚悟を決める。
生誕百五十年記念といえば、森鷗外記念館*1がオープンした。前身の本郷図書館(鷗外記念室を併設)には、東京を去る前に行ったことがある*2。鷗外の旧居・観潮楼(昔は東京湾が見えたらしい)の跡にあった図書館だが、今は一般図書館の機能は移転し、もっぱら鷗外のための記念館として再スタートした。ネットのおかげで田舎に住んでいても大抵不自由は感じないが、こんな時ばかりは東京に住んでいないことが恨めしく思われる。
歴史小説、また追加で注文した。司馬遼太郎『功名が辻』全四巻、『播磨灘物語』全四巻、『尻啖え孫市』全二冊、『幕末』、『人斬り以蔵』。もう買わない。それと福沢諭吉『文明論之概略』。