本の覚書

本と語学のはなし

『ヘンリー六世 第一部』


ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー六世 第一部』(小田島雄志訳、白水Uブックス)
 時代は百年戦争末期。ジャンヌ・ダルクも妖女の趣ではあるけど登場する。一方で、すでに薔薇戦争の芽も萌している。まだまだ序曲という感じ。


 熱心にシェイクスピアを読んでいたのは学生の頃の話だが、歴史劇はほぼ未読のままだった。レヴィナスの言葉に触発され、残されたものから再び攻めてみようと思ったのが五年半前。しかし、第一・四部作(『ヘンリー六世』三部と『リチャード三世』)から先に進むことはなかった。したがって、これは珍しく読書記録が残されているシェイクスピア作品ということになる。*1