本の覚書

本と語学のはなし

『ビュビュ・ド・モンパルナス』


●フィリップ『ビュビュ・ド・モンパルナス』(淀野隆三訳、岩波文庫
 売笑婦のベルト、ヒモのビュビュ、客でありながら身内のような情によって彼女と結びつくピエール。ビュビュが監獄に入り、妹がサン・ラザールに入れられ、父親が死んでしまったのを機に、足を洗ってピエールとまっとうな暮らしに入ろうとしていたベルトではあったが、その矢先に仮出所したビュビュに連れ戻される。
 作者のフィリップには実際ある街娼と出会い、その精神を高めたいと願い、同時に彼女にパリの暗黒面へと導かれた過去があったらしい。その結末を私は知らないが、ピエールの無力感は恐らくフィリップの体験と重なるのではないだろうか。

ビュビュ・ド・モンパルナス (1953年) (岩波文庫)

ビュビュ・ド・モンパルナス (1953年) (岩波文庫)

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