本の覚書

本と語学のはなし

アエネーイスと青春は美わし

illam Terra parens, ira inritata deorum,
extremam, ut perhibent, Coeo Enceladoque sororem
progenuit, pedibus celerem et penicibus alis,
monstrum horrendum, ingens, cui, quot sunt corpore plumae,
tot vigiles oculi subter (mirabile dictu),
tot linguae, totidem ora sonant, tot subrigit auris. (4.178-183)

伝えによればその母の、
“大地”はかつて神々に、対する怒りに身をやかれ、
エンケラドスとコイオスの、妹として末の子に、
女神の“噂”を生みおとす。足の早い末の子は、
自在に動く翼持つ、巨大な不気味の怪物で、
体にはえる軽やかな、羽毛の数ほど数多い、
鋭いまなこを下腹に、(いうのも不思議なことながら)、
つけるばかりかその数の、舌と口とを音出させ、
その数ほどの聞き耳を、常に体にそば立てる。(上p.220-221)


 ラテン語もまたウェルギリウス叙事詩に逆戻り。ドイツ文学専攻時代に受けたラテン語の授業で、H地先生が七五調の泉井訳を口を極めて批判していたのを、いつも思い出す。今はまた、『魔の山』のセテムブリーニがウェルギリウス讃歌を口にしていたことも、思い浮かべる。*1

Als ich die Achseln zuckte, erschreckte er mich durch das Geständnis, daß er einen Pulverfrosch in der Tasche habe, den er später bei dem üblichen längeren Abschiednehmen der Mädchen loszulassen gedenke. Nur durch inständiges Bitten brachte ich ihn von diesem Vorhaben ab. Darauf begab er sich in den entferntesten Teil des großen Gartens und legte sich unter die Stachelbeerbüsche. Ich aber beging Verrat an ihm, indem ich mit den andern über seinen knabenhaften Unmut lachte, obwohl er mir leid tat und ich ihn gut verstand. (p.56)

私が肩をすくめると、彼は、ナンキン花火をポケットに入れていて、あとで娘たちがありきたりの長たらしいいとまごいをしている最中にぶっ放してやるつもりだ、と打ち明けて、私を驚かした。熱心に頼みこんで、私はやっとそのたくらみを思いとまらせた。すると、彼は広い庭のいちばん遠くへ行って、スグリの茂みの下に寝そべった。私は彼をかわいそうに思い、彼の気持ちはよくわかっていたけれど、ほかの人たちとともに彼の少年らしい不平をあざ笑って、彼を裏切るようなことをしてしまった。(p.46)


 ドイツ語は相変わらずヘッセの『青春は美わし』。初めて独学をした外国語がドイツ語だった。もう極めたいとは思っていないけれど、特別な愛着は持ち続けている。

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