本の覚書

本と語学のはなし

ロング・グッドバイ


 『ロング・グッドバイ』も昨日、半月以上の中断を経て久しぶりに読んだ。それほど難しくはない英語だが、口語表現が一番の難所だろう。

There ain’t a police force in the country could do its job with a law book. You got information and I want it. You could of said no and I could of not believed you. (p.52)

法律どおりに穏便にことをすすめていくような警察なんぞ、どこの世界にもありゃせん。あんたは情報を握っているし、こっちはそいつを引き出したい。そっちは何も知らないと言うかもしれんし、俺たちはそんなことは信じないと言うかもしれん。(p.65-66)


 最初の文は、country と could の間に主格の関係代名詞が省略されている。There is / are で始まる文では、口語の場合、省略されるのが普通だそうである。三つ目の文に出てくる of は have のことで、形としては仮定法過去完了。
 こういうのは一度出会ってしまえば後は何ともないが、最初見たときはぎょっとする。