本の覚書

本と語学のはなし

『タンタンとアルファアート』


●エルジェ『タンタンとアルファアート』(川口恵子訳、福音館書店
 未完の草稿。「どういう話になるか」わからぬまま、描きながら創造を繰り返すエルジェの手法を見ることができて、おもしろい。
 アラブの国ケメドの首長のセリフ。「そう、ヨーロッパに買い物に来たんじゃよ。英国政府にウィンザー城を購入したいと申し入れた。あのお城をワデスダーに移築しようと思ってな。ところが、英国政府ときたら、金に困ってるくせに断ってきおった。まったくもってわけがわからんよ。フランスもそう。ヴェルサイユ宮殿を買いたいと言ったら拒絶された。エッフェル塔なんか、うちの油田のやぐらにちょうどいいと思ったんだがなあ。どこの国の政府からも、まったく理解が得られん。パリに最近建設されたあの製油所も、大金はたいて買収しようとしたんだが、美術館にされてしまって…」
 パリに建設された精油所とはポンピドゥーのことである。アラブの金持ちの金遣いとともに、ポンピドゥーのデザインをも皮肉ったのかもしれない。しかし、後にエルジェ展を行い、私をタンタンに近づけたのは、このポンピドゥーであった。


 タンタン・シリーズ全24巻を、原作の発表順に並べておく。タイトルの直後の数字は、日本語訳シリーズの番号。かっこ内の数字は、私が読んだ順番である。


1 『タンタン ソビエトへ』 21 (10)
2 『タンタンのコンゴ探検』 22 (22)
3 『タンタン アメリカへ』 20 (5)
4 『ファラオの葉巻』 8 (1)
5 『青い蓮』 14 (19)
6 『かけた耳』 16 (21)
7 『黒い島のひみつ』 1 (11)
8 『オトカル王の杖』 17 (18)
9 『金のはさみのカニ』 18 (2)
10 『ふしぎな流れ星』 2 (12)
11 『なぞのユニコーン号』 3 (8)
12 『レッド・ラッカムの宝』 4 (9)
13 『ななつの水晶球』 6 (3)
14 『太陽の神殿』 7 (4)
15 『燃える水の国』 10 (15)
16 『めざすは月』 12 (16)
17 『月世界旅行』 13 (17)
18 『ビーカー教授事件』 15 (20)
19 『紅海のサメ』 11 (14)
20 『タンタン チベットをゆく』 5 (6)
21 『カスタフィオーレ夫人の宝石』 9 (13)
22 『シドニー行き714便』 19 (7)
23 『タンタンとピカロたち』 23 (23)
24 『タンタンとアルファアート』 24 (24)

タンタンとアルファアート (タンタンの冒険)

タンタンとアルファアート (タンタンの冒険)

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