本の覚書

本と語学のはなし

『武器よさらば』


ヘミングウェイ『武器よさらば』(高見浩訳、新潮文庫
 この数年の中では最も忙しい週だった(疲労のためとしか考えられないが、最後に大きなミスもした)。その合間を縫って読み進める。外で読むにはちょうど良かった。
 いろいろと釈然としないところがある。ヘミングウェイは身勝手で愛を知らぬ孤独な男であったのではないかとも察せられる。しかし、だからこそ読まねばならないと思う。この作品と『誰がために鐘は鳴る』とは、私にとって『海流のなかの島々』や『エデンの園』や『移動祝祭日』へのよき助走となるだろう。

人間は死ぬ。死ぬとはどういうことかも、わからないうちに。知る時間も与えられないうちに。人間は偶然にこの世に放り出され、ルールを告げられ、最初にベースを踏み外したところを見つかったとたんに、殺されてしまう。もしくはアモイがそうだったように、何のいわれもなく殺されてしまう。もしくはリナルディのように梅毒をうつされる。けれども、結局は殺されるのだ。それはまず間違いない。のらくらしているうちに殺されてしまう。(p.534-535)


武器よさらば (新潮文庫)

武器よさらば (新潮文庫)

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