本の覚書

本と語学のはなし

大学卒業以降の本の覚書(2)


 市役所の職員になってからは、文学よりも思想を中心に読む。大半は新書や入門書なので、いろんな知識は身についたが、強烈な印象を残す本との出会いはあまりない。現代日本文学を集中的に読んだ時期もあるけど、書き残すほどのことはない。


■懐奘『正法眼蔵随聞記』
 道元を学ばずには死ねないと思っていた。先ずは『随聞記』から。仏教や禅に限らず、何かを学ぼうとしている人は必読の書。
正法眼蔵随聞記 (岩波文庫) 正法眼蔵随聞記 (ちくま学芸文庫) 宝慶記・正法眼蔵随聞記 (原文対照現代語訳 道元禅師全集)


道元正法眼蔵
 石井恭二の訳、森本和夫の解釈、現代語訳つき全集などが出版され、『正法眼蔵』もとっつきやすくなった。私にとっては春日祐芳の解釈が一番分かりやすい。禅は金太郎飴みたいなところがあって、どこを切っても同じ様相ばかりで飽きてくる。しかし、せっかく全集を買っているのだから、いずれまた読みたい。
正法眼蔵〈1〉 (岩波文庫) 正法眼蔵〈2〉 (岩波文庫) 正法眼蔵〈3〉 (岩波文庫) 正法眼蔵〈4〉 (岩波文庫)
正法眼蔵〈1〉 (原文対照現代語訳・道元禅師全集) 正法眼蔵を読む〈1〉 愛蔵版『正法眼蔵』読解〈1〉 正法眼蔵〈1〉


レヴィナス『全体性と無限』
 思想書にこだわり続けた集大成が『全体性と無限』。熊野純彦の注釈がすばらしくて、これを読んでいるだけで哲学(史)の勉強になる。完全に理解できたわけではもちろんないし、違和感も感じるのだけど、恐らくその違和感こそが大事なのだろう。ハイデガーを突き破る可能性がそこにある。他者を考える際には読んでおきたい。
全体性と無限 (上) (岩波文庫) 全体性と無限〈下〉 (岩波文庫)


ヘミングウェイ『移動祝祭日』
 初めての海外旅行でパリに行って以来、すっかりフランスびいきになった。それがまた私を顛倒せしめることになった。若き日に経験したパリは移動祝祭日になるという。その祝祭を体験した者にとっては、とても切ないパリの物語である。
移動祝祭日 (同時代ライブラリー) 移動祝祭日 (新潮文庫)

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