市役所の職員になってからは、文学よりも思想を中心に読む。大半は新書や入門書なので、いろんな知識は身についたが、強烈な印象を残す本との出会いはあまりない。現代日本文学を集中的に読んだ時期もあるけど、書き残すほどのことはない。
■懐奘『正法眼蔵随聞記』
道元を学ばずには死ねないと思っていた。先ずは『随聞記』から。仏教や禅に限らず、何かを学ぼうとしている人は必読の書。
■道元『正法眼蔵』
石井恭二の訳、森本和夫の解釈、現代語訳つき全集などが出版され、『正法眼蔵』もとっつきやすくなった。私にとっては春日祐芳の解釈が一番分かりやすい。禅は金太郎飴みたいなところがあって、どこを切っても同じ様相ばかりで飽きてくる。しかし、せっかく全集を買っているのだから、いずれまた読みたい。
- 作者:道元
- 発売日: 1990/01/16
- メディア: ペーパーバック
- 作者:道元
- 発売日: 1990/12/17
- メディア: 文庫
- 作者:道元
- 発売日: 1991/07/16
- メディア: 文庫
- 作者:道元
- 発売日: 1993/04/16
- メディア: 文庫
- 作者:春日 佑芳
- メディア: 単行本
- 作者:森本 和夫
- メディア: 単行本
■レヴィナス『全体性と無限』
思想書にこだわり続けた集大成が『全体性と無限』。熊野純彦の注釈がすばらしくて、これを読んでいるだけで哲学(史)の勉強になる。完全に理解できたわけではもちろんないし、違和感も感じるのだけど、恐らくその違和感こそが大事なのだろう。ハイデガーを突き破る可能性がそこにある。他者を考える際には読んでおきたい。
- 作者:レヴィナス
- 発売日: 2005/11/16
- メディア: 文庫
- 作者:レヴィナス
- 発売日: 2006/01/17
- メディア: 文庫
■ヘミングウェイ『移動祝祭日』
初めての海外旅行でパリに行って以来、すっかりフランスびいきになった。それがまた私を顛倒せしめることになった。若き日に経験したパリは移動祝祭日になるという。その祝祭を体験した者にとっては、とても切ないパリの物語である。
- 作者:ヘミングウェイ
- 発売日: 1990/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:アーネスト ヘミングウェイ
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: 文庫