本の覚書

本と語学のはなし

「判事の書」蜜よりも甘いものは何か、ししよりも強いものは何か

 そのとき主の霊は突如サムソンの上に下った。彼はアスケロンに下って、三十人の男をそこで殺し、彼らから衣服をはぎ取って、なぞを解いた人々に渡した。そうして後、怒りに燃えながら父の家に帰った。サムソンの妻は付添人だった人々の一人に妻として与えられた。(判14.19-20)


 時間の余裕がないのにいろいろと手を出したくなって、古代の叙事詩やヘッセの小品の他にも、源氏やら聖書まで開いてみることがある。いつでも英語とフランス語以外には長続きしないのだけど。
 バルバロの「判事の書」は新共同訳の「士師記」にあたる。バルバロ訳が優れているかどうかは知らないが、私が一番親しんだ聖書であるから、そう簡単に替えることはできない。地図がたくさん載っているのもありがたい。
 学生時代好きだったことをもう一度、という最近の傾向からすれば、聖書もずっと続けたいところだ。再び教会に行くことはないにしても、キリスト教と、殊にカトリックと縁を切ってしまうことは、私の大事な一部を葬り去ることになりかねない。