本の覚書

本と語学のはなし

「居酒屋」葬儀人夫

 Elle l’écoutait, se reculait, avec la peur qu’il ne la saisît de ses grandes mains sales, pour l’emporter dans sa boîte. Déjà une fois, le soir de ses noces, il lui avait dit en connaître des femmes, qui le remercieraient, s’il montait les prendre. (p.361)

 彼女はじいさんの話を聞いているうちに、彼がそのきたない大きな手で自分をつかまえて、棺のなかに投げこむのではないかとこわくなり、あとずさりした。まえにも一度、ちょうど結婚式の夜、彼が酔っぱらって、わしが迎えにゆくと感謝してくれる女がいるんだ、と言っていたことがあった。(p.413)


 いつでも酔っぱらっている葬儀人夫のバズージュおやじは、クーポーばあさんではなくジェルヴェーズが死んだと勘違いしてやってきた。ジェルヴェーズは喜んで棺に入るという女たちの話を思い出して、自分はそこまで落ちてはいないと思いつつも、背筋に寒気を覚える。


 塾には向かなかったかなと思う。講師にとって学科の知識はあまり重要ではなかった。勉強が好きなわけではない生徒にいかに教えるか、いかに生徒を楽しませるか、そういうことに私は長けてはいない。
 割のよいアルバイトであるとも思えない。特に中学部の拘束時間は法外というべきだ。これなら普通の時給のアルバイトをフルタイムでやった方がいいのではないか。夏期講習以降の勤務希望は高校部だけにしようかと迷っている。講師業を1年限りで終わらせるならそれでもいいだろう。
 学校の方の授業は明日から始まる。準備はこれから。