本の覚書

本と語学のはなし

枕草子「菖蒲」

 五月四日の夕つ方、青き草おほく、いとうるはしく切りて、左右ひだりみぎになひて、赤衣あかぎぬ着たるをのこの行くこそ、をかしけれ。(209 五月四日の夕つ方

 五月四日の夕方、青い草を、たくさん、非常にきちんと切って、左右の肩にかついで、赤い着物を着た男が歩いて行くのは、おもしろい感じがする。


 5月5日の節句の前日。青い草とは、その節句に用いる菖蒲のこと。退紅色の狩衣を着るのは、身分の低い男である。
 短い中にも鮮烈な色彩感覚が閃いている。『枕草子』は通読向きの本ではないかもしれない。もしこのような文章を見逃してしまうとしたら。


 英語、フランス語、古典の3つに力を入れるのはしんどい。1つやめるとすれば、迷うことなく古典だろう。しかし、あと20年もすれば外国語なんて読みたくなくなるかもしれない。そうなったら、古典を読む力の有無が残りの人生の質を左右するのではないかと、弱気なことも考えている。
 解決法でもなんでもないが、現在の構想は、英米文学フランス文学、古典の3つに歴史参考書とヒアリングを加えるだけにするというもの。時事英語は、塾の休日でもある日曜日に(まだ塾のパートが決まった訳ではないが)、英米文学を休んで取り組む。それ以外のことには手を出さない。
 時事英語に負荷を求める気持ちはなくなってきているので、タイムからジャパン・タイムズ・ウィークリーに替える可能性が高い。そんなに難しくもなく、分量も程よく、購読料も安く(月1100円)、土曜配達であるのもちょうど良い。


 昨日は高校ラグビーの決勝、今日は大学ラグビーの決勝を見た。桐蔭と早稲田、東福岡と帝京は似ている気がする(早稲田は東福岡出身者をずらりと揃えてはいるけど)。ただ、高校の試合は面白かったけど、大学の方は今一つ。帝京は強いが、戦い方がつまらない。