本の覚書

本と語学のはなし

『財務3表一体分析法』


●國貞克則『財務3表一体分析法 「経営」がわかる決算書の読み方』(朝日新書
 『財務3表一体理解法』*1の続編。お金を借りたり、仕入れをしたり、売ったりという一つひとつの行為が、その都度どのように決算書に影響を与えるか、3表の相互関係にも留意しつつ、視覚的に明瞭に見せてくれたのが前著であった。
 今回は実際の企業の決算書をふんだんに引用しながらを分析を加えるのだが、やはり最大の特徴は視覚的で直観的であるということ。貸借対照表損益計算書も構成割合に従って区分されたグラフに書き換えられ、共時的もしくは通時的に比較をする場合は、基準とする方を100とし、もう一方はそれとの関係において縮尺される。いちいち財務分析指標の計算をするまでもなく、大概のことは目で見て理解できるのだ。ただし、自分で一から表を作るのは面倒くさいかもしれない。エクセルでの作り方は載っているが、全部手作業である。*2
 『理解法』にしろ『分析法』にしろ、あくまでざっくり理解するための本。あまり期待しすぎず、ビジュアルの効果を楽しむのがいいと思う。

*1:http://d.hatena.ne.jp/k_sampo/20090202/p1

*2:國貞克則『CD-ROMでスラスラわかる 財務3表一体分析法「図解の達人」』(朝日新聞出版社)を購入すると、数字を入力するだけで作図できるようだ。