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★Vladimir Nabokov『The Annotated Lolita』(Penguin Classics)


 アルフレッド・アッペル・ジュニア編集の『註解ロリータ』。
 新潮文庫の若林正訳『ロリータ』の解説で、大江健三郎はこう書いている。「野心的で勤勉な小説家志望の若者に私は、小説勉強にこれ以上はないテクストとして、『ロリータ』をすすめてきた(Alfred Appel, Jr. 編 “The Annotated Lolita” Weidenfeld & Nicolson が、基本的なものから作家自身への高級な聞き書きもふくむ註釈として、英語で読む人々には有益)」。
 若林が翻訳に使用したテクストはヴィンテージ版だが、これも『註解ロリータ』編集時にナボコフが加筆訂正をした決定版を底本としている。ただし、若林はナボコフ自身の手によるよるロシア語版をも参照して訳しているそうだ。英語の原文と翻訳が合致しないこともあるかもしれない。