本の覚書

本と語学のはなし

青春は美わし

Die zwei Mädchen plauderten miteinander wie die Stare, und ich hörte zu und war froh, dabei zu sein und zum Kleeblatt zu gehören. (pp.37-38)

ふたりの少女はムクドリのようにおしゃべりし合った。私は耳を傾けながら、道づれになって、ウマゴヤシの三つ葉の一枚であることを喜んだ。(p.32)


 辞書で調べると、Kleeblatt には「クローバーの葉」、そこから転じて「(仲のよい)トリオ、3人組」といった意味がある。
 ウマゴヤシ(馬肥やし)はクローバーと同じくシロツメクサの別名らしいが(厳密には違うのかも)、語感が何ともよけいな想像力を刺激して、このシーンには関係のないヴィジョンが見えてきてしまう。訳語にウマゴヤシを採用した意図が気になる。