本の覚書

本と語学のはなし

『トライアル現場主義!』


●近藤哲史『トライアル現場主義! 売れる翻訳者へのショートカット』(丸善
 翻訳会社に登録しようとするときは、トライアルと呼ばれる翻訳試験を受けることになるわけだが、この本は実際に採点をしている人が現場の視点からアドバイスをするという画期的な内容になっている。
 練習問題は5つ。アメリアのウェブサイト上で募集された翻訳に、著者が赤ペンを入れていく。他の人はどう訳すのか、採点者はどこに着眼しているのか、という普通は見えてこないところをのぞき見ることができるのは貴重である。
 私も、解説を読む前に、さっとではあるが自分で練習問題を訳してみた。金属探知機の説明書とか技術系のものばかりで、うまくいかないところも多々あった。しかし、専門外であろうとも、この程度の内容ならきちんと調べてそつなく訳せなくてはいけないのだろう。トライアルの合格ラインに届くかどうか、心許ない。


 そうは言っても、そろそろ働かなくては食べていけない。作戦を練って、早めに翻訳会社にコンタクトを取ることにしよう。合否の判定まで3週間くらいかかることもあるようだし、合格しても直ぐに仕事がもらえるとは限らない。アルバイトも考えなくてはいけないかもしれない。