本の覚書

本と語学のはなし

『たいした問題じゃないが』


●『たいした問題じゃないが イギリス・コラム傑作選』(行方昭夫編訳,岩波文庫
 20世紀初頭に活躍した4人のエッセイスト、ガードナー、ルーカス、リンド、ミルンの仕事を紹介する。彼らの英文は、昔は読解のテキストとして広く使われ、対訳本も出版されていたが、翻訳アンソロジーというのは初の試みであるようだ。私は行方の『英語のセンスを磨く』岩波書店)でリンドをちょっと読んだことがある程度だが、年配の人には懐かしさのこみ上げる本だろうと思う。
 内容はそれほど重くない。私なら陳腐になるのを恐れて決して書かないだろうような平凡な事も話題になる。しかし、お手本のようなイギリス・ユーモアでうまくまとめている。ブログを書く人にも大いに参考になるのではないか。
 私はリンドの「キャンデー」が一番好きだ。