本の覚書

本と語学のはなし

経済物理学


高安秀樹経済物理学の発見』(光文社新書


 最近道元全集の第五巻が出版されたことを知ってアマゾンを見ていたら、3月にも第四巻が出ていた。全然気が付かなかった。取り寄せを頼んでいる本屋からは、まだ連絡がない。充電に障害が生じてから携帯の電源を切っておくことが多かったから、連絡がつかなかっただけだろうか。
 図書館に行く前に本屋に寄ってみた。携帯のせいではなかった。まだ第四巻も入荷していなかった。急ぐ訳ではないからいいのだけど(どうせ『正法眼蔵』の分冊であるし)、ネットで買う方が確実なような気がする。


 4月23日付日経新聞の経済教室で、高安秀樹は言っている。「現在の危機に関し、悪いのは金融工学を悪用した人たちで、金融工学自体は悪くないという論評をする研究者がいる。しかし物質が絡んだ自然科学や工学の世界では、こうした発言はありえない」。今後はますます経済物理学の視点が重要になるというのだ。金融工学でさえ文系にとっては敷居が高いというのに、経済と物理がフュージョンしたら一体どうなるのだろうか。
 新書はじゃっかん古いかも。


 図書館では、少し溜め込んでしまった通信講座の添削済み課題の見直し。毎回のように、「安定した力はあるが、もう少し工夫が必要」というようなアドバイスをもらっている。それは自分でも認識している。
 たぶん、ある程度翻訳の勉強をした人なら、皆同じような壁に当たるのではないだろうか。意味は取れる、文法や語法なども正確に理解している。にもかかわらず、うまく訳せない。
 単なる調査不足や日本語能力の欠如が原因である場合も少なからずあるが、対象となる分野(私の場合、専門は金融・証券としつつ、経済・ビジネス全般を扱う予定)の知識、用語、文体等に十分習熟していないことが一番の問題である。一朝一夕に身に付くものではないけど、これを身に付けないことには安定した収入にはつながらないだろう。