本の覚書

本と語学のはなし

『英語ライティング講座入門』 〔6〕


●ケリー伊藤『英語ライティング講座入門』(研究社,2001年)
 プレイン・イングリッシュで単文レベルの英文を書くための本。学校で覚えたことも大切だが、それを時々点検し直すことも同様に大切だ。
 たとえば接続詞を扱った章に、「雪が降っていたので、昨日は出かけなかった。」という日本文を英訳しなさいという練習問題がある。これだけでレベルが低いと決めつけず、解説もよく読んでみよう。ここではbecauseやsince(becauseより弱めだが)は使えない。なぜなら、雪が降っていたことと出かけなかったことに直接的な因果関係はないから。使うのはasである。この接続詞には、日本の文法書に書かれているような「〜なので」「〜するとき」といった意味が元々あるのではない。主文に対しての状況説明、背景説明の補足をするのが役割で、分詞構文と同じようなものである。
 学校の英作文でbecauseやsinceを使ったからといって減点になるとは思えないが、そうだからこそこういう指摘は貴重である。


 続いては、同じくケリー伊藤の『英語パラグラフ・ライティング講座』(研究社)。

英語ライティング講座入門

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