本の覚書

本と語学のはなし

重複あり


 だらりと過ごした週末。アマゾンで英米文学のペーパーバックを発注する。
 次に発注する予定のものもカートに入っている。たくさん入れすぎたので、ふるいにかける必要がありそうだ。


 夕方から『クリスマス・カロル』の原典講読に集中する。来週に読了予定。
 最近「A Christmas Carol + 訳」という検索に随分ひっかかっているので、これまで書いてきたことと重複する部分はあるが、一言。私が参照している村岡訳(新潮文庫)と池訳(光文社古典新訳文庫)については、どちらも自信を持って薦めることはできない。
 村岡訳は比較的誤訳が多く、訳抜けもある。日本語としての体裁をなさなかったり、時に意味不明であったりする。私が村岡訳に愛着を持っているのは、かつて興奮して読んだ記憶があるというだけの理由である。
 池訳はおそらく比較的正確だと思う(後発の訳だから当たり前だけど)。説明や客観的根拠のある解釈が織り込まれているのはまだいいとして、原文に忠実であるより自らの筆の勢いを恃みにしている節がある。新訳の割に古臭い言葉もちりばめられている。ディケンズのユーモアをうつす文体として、私には何だか違和感もある。そういうことが気にならなければ、村岡訳より池訳を選択するべきだろう。
 高校を卒業したばかりというレベルで原文を読むのはやめた方がいい。私はひどい目に遭っている。まさか辞書を引きまくることになろうとは思わなかったし(電子辞書も「引く」でいいのだろうか?)、決して複雑怪奇に入り組んだ文章で構成されてるわけでもないのに一々意味不明である。英語に自信がないという人は、来シーズンに目標を定める方が身のためだ。