本の覚書

本と語学のはなし

休日


 午前中ずっと、『クリスマス・カロル』を読む。意外に読みにくい。昔、私が初めて読もうとしたペーパーバックではあるが、断じて最初の一冊向きではない。村岡訳を見るとよい。ちょこちょこ誤訳を犯している。
 『赤毛のアン』読者の不安を煽りそうなので急いで付け足しておくと、それでも翻訳で読むなら、私は池訳よりも村岡訳を選ぶ。文芸翻訳は学校で画一的に教えることができるもなのかと根本的な問いを問いたくなるほどに、両者の翻訳観は著しく異なっている。私には、池訳はスタンドプレーが激し過ぎるように見える。作者と訳者の境がどこにあるのか、常に疑ってかからなくてはならない。難儀なことである。村岡訳は多少ぎこちないけど、安心して読める。理想を言えば、村岡訳がもっと正確に滑らかになることであるが、それを延長しても池訳と交わる点があるわけではない。


 午後からは親の年賀状を作る。かなり手抜き。当てにしないでもらいたい。