本の覚書

本と語学のはなし

A Christmas Carol


 『クリスマス・カロル』の村岡訳。
 スクルージの甥が、クリスマスの夕食の招待に来た場面。

 “Don’t be angry, uncle. Come! Dine with us to-morrow.”
 Scrooge said that he would see him――yes, indeed he did. He went the whole length of the expression, and said that he would see him in that extremity first.

 「伯父さん、そう腹を立てないでください。どうか明日夕食に来てくださいな」
 スクルージは対面しようと言った――まったくその通り言った――その通りの言いかたで、そんなところへ行くよりいっそ、地獄で対面しようとまで言った。(14-5頁)


 言いたいことは、スクルージは確かに会おうと言った、しかしそれは表現の全部ではなくて、最後まで再現すると、むしろ「地獄で」で会おうと言った、ということである。
 だから村岡訳は原文に忠実な翻訳ではなく、ちょっと変えてある。語順の問題もあって確かに訳しにくいところだ。果たして原文通りに翻訳することは可能なのだろうか。新訳で確認したい。
 「in that extremity」が「地獄で」という意味になるのかどうか、私はよく分からない。この部分も合わせて確認したい。