本の覚書

本と語学のはなし

記憶


 昔『ギャツビー』の原文を読みかけたのを思い出した。
 どこまで読んだのか、何故やめたのかは全く記憶にない。やめたのは、多分つまらなかったのだろう。辞書を引かずに読み飛ばしていたような気もするし、ていねいに読んでいたような気もするが、それもあやふやだ。
 しかし、読み始めた理由は憶えている。学生時代の友人F君が批評理論の講義を受けたとき、その先生が『ギャツビー』を自分のベストとして挙げていたというのだ。と書いていて、この記憶も怪しいような気がしてきた。ともかく、『ギャツビー』は誰だか私とはあんまり関係ない人にとって、かけがえのない作品だったのである。