本の覚書

本と語学のはなし

 とうとう母は長兄を連れ戻す決心をしたようだ。
 彼に仕事をする気があるかどうか知らないが、仮に仕事をしないとなると、私の預金を取り崩す必要が生じるということだろうか。私もまだ一年半くらいは修行の期間と位置づけ、収入の予定は全くないが、そういう設計も再考を迫られる可能性があるということだろうか。
 私は彼と話をした記憶が全くない。鮮明に覚えているのは、縄跳びを鞭代わりに、何十分と叩きつけられたことばかりだ。彼が高校を卒業して上京する直前まで、私はいつも身の危険を感じながら生きていた。彼に対して、私は何の愛情も持っていない。たとえ彼のために蓄えを失い、人生の方向を転換しなくてはならなくなるとしても、それを返済し、償ってもらいたいとは思わない。あらゆる関係を絶ってしまいたいのだ。

広告を非表示にする