本の覚書

本と語学のはなし

命日


☆午前中:「ヴェリ」「Newsweek」『月と六ペンス』『異邦人』
☆図書館:「Le Monde」『解釈教室』『キーワード』「日経」
☆夕食前:『ボキャビル』「民数」「EP」
☆夕食後:『日史1』「OTM」「Fra2」『サブプラ後』


 独文専攻同期のTさんの命日。3年になる。
 卒業後、彼女は金融の世界に入り、病室にも金融の書籍を持ち込んで勉強していたと言う。
 学生時代も、卒業後も、一切そういう方面とは無関係に過ごしてきた私が、彼女の死後に突然経済を学び始めたのも、不思議な縁だ。
 世界は今、金融抜きにはますます理解困難になりつつある。


 「ニューズウィーク」ビジネス欄の記事の一つは、「This Nation Is an Island」というタイトル。地理学的な事実を述べたものではない。そのタイトルの下には「Japan’s insularity is becoming a drag on its economy and threatening its future.」とある。日本の島国根性を非難するのである。我々は中国を偏狭なナショナリズムの国と断じて倦むことを知らないが、経済的排外主義という点では、日本こそゼノフォビアと思われている。ハゲタカ外資が「win-win」と言ったところで信用せず、買収防衛やら株式の持合やらに奔走する。
 一方、カバーストーリーはZakaria*1の新著『The Post-American World』の要約。アンチ・アメリカからポスト・アメリカの流れの中で、アメリカの強みは何と言っても受け入れる国であることが指摘される。この人の言うことはひょっとしたらいつも甘いのかもしれないが、こんなことを書いている。「If China, India, Russia, Brazil all feel that they have a stake in the existing global order, there will be less danger of war, depression, panics, and breakdowns. There will be lots of problems, crisis, and tensions, but they will occur against a backdrop of systemic stability. This benefits them but also us. It’s the ultimate win-win.」アメリカは世界をグローバル化した。アメリカ自身もグローバル化しなくてはいけないと言う。


 「ル・モンド」5月3日号が届く。取り寄せを担当している日本の会社のお詫び状が入っていて、4月19日号と4月26日号は「現地版元の不手際により、入荷が大幅に遅れ」ているので、先に入った最新号を届けるといった内容だ。えっ、2週間も来ていなかったっけ、と自分の無頓着ぶりの方に呆れてしまった。*2
 最初に読んだのは、中国の若者の静かなるナショナリズムについての現地レポート。上海のフランス法人の人が語った話が印象深い。「C’est une génération qui a grandi avec une idée dfferénte de la Chine, et pour qui les JO (Jeux olympiques) sont un symbole fort. Ce sont leurs JO」。ところで、これは4月25日の記事。日本で「週刊ル・モンド」を読む場合、記事の新鮮さを求めてはならない。


 図書館で長崎の道路地図とガイドブックを借りる。

*1:英語圏の人を意識しているのかどうか知らないが、この人の英語は読みやすい。

*2:多分4月12号も1週間遅れで届いていたのだろう。