本の覚書

本と語学のはなし

『英語リーディングの真実』

●薬袋善郎『英語リーディングの真実』(研究社)
 ほとんどの文章が「タイム」と「ニューズウィーク」からとられているが、速読のすすめや、情報の背景の解説でしかない時事英語指南本とは違って、あくまで正確に英語を読むことを目的とする。
 悠長な英文解釈本かもしれない。しかし、情報第一で、単語も調べず、あやふやな部分をよく考えもせずに読み飛ばしていては、いつまでたっても本当の語学力は身に付かないし、時には情報やメッセージを誤って理解することにもなりかねない。
 先ずは、本当に理解できたという実感が得られないのは何故か、分かったつもりでいながらいかに理解できていないか、この本で考え確かめてから、速読に取りかかるべきである。


 前にも書いたが、正しい読みとは案外単純であることが多いということを教えてくれる良書。