本の覚書

本と語学のはなし

『女警部ジュリー・レスコー 特赦の申し立て』


 年休を取る。権利としてはまだ37日と4時間残っているけど、実際に使うのはあと1日くらいだろう。3日続けてあの職場で過ごすのは、拷問以外の何ものでもない。
 彼らは一体何のために決定を先延ばしするのか。それによって無用の負担をあちこちに強いることになるのだということをまるで自覚していない。


 そういう怒りを鎮めるためにというわけでもないが、今日はDVD鑑賞。『ジュリー・レスコー』と『アリー・マクビール』を見る。
 前者は死刑復活論者が暴走する話。加藤尚武の『応用倫理学のすすめ』(丸善ライブラリー)を見ると、死刑を認める論法には「つぐない論」と「みせしめ論」の2つがあるという。恐らく日本では、犯罪の抑止を狙う後者よりは、被害者遺族の感情に配慮した前者を支持する人の方が多いのではないだろうか。私に定見があるわけではないものの、しかし、国民投票があるとすれば、死刑廃止に一票を投じるだろう。人に人を殺す権限を与えるべきではないという単純な原理論である。加藤は「私はふと自分も大罪を犯すかもしれないと思うとき、死刑を願い出るという最後の救いを残しておいて欲しいと思う」と書いて論を結んでいる。尊厳死のような視点を持ち込むべきではない。それは都合の良すぎる話というものだ。
 『アリー・マクビール』は第5シーズンに入ってからいまいち。