本の覚書

本と語学のはなし

『アンナ・カレーニナ(下)』


トルストイアンナ・カレーニナ(下)』(中村融訳,岩波文庫
 アンナが自殺をした後にも物語りは続く。最後の第八編におけるレーヴィンが面白かった。


 いったん中断していた『アンナ・カレーニナ』を再び取り上げたのは、中島義道が『「死」を哲学する』(岩波書店)の中で、この作品からの引用をしていたからだった。
 今改めて中島の本を調べると、取り上げられていたのはやはりレーヴィンの呟きであった。それは、常日頃から死を見つめて生きる意味に疑問符を投げかけていたトルストイ自身の呟きでもある。
 ドストエフスキーよりも、トルストイの方が中島好みであるらしい。


 では、なぜそもそも『アンナ・カレーニナ』を読み始めたのかといえば、桑原武夫が『文学入門』(岩波新書)を書き始める二日前からこれを読み始めて、大興奮していたからである。「もしこのような面白い作品が人生に必要でないとしたら、その人生とは、一たいどういう人生だろう!」(2頁)。


 いずれもう一回くらい読み直すことがあるかもしれないが、その時も何度も挫折しそうになりながら、途中で何冊も他の本に飛び移りながら、ゆっくりゆっくり読むことになるのだろう。


アンナ・カレーニナ〈下〉 (岩波文庫)

アンナ・カレーニナ〈下〉 (岩波文庫)

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