本の覚書

本と語学のはなし

『1週間でマスター 長編小説のかたち 小説メソッド3〈未来への熱と力〉』


●奈良裕明『1週間でマスター 長編小説のかたち 小説メソッド3〈未来への熱と力〉』(雷鳥社
 勢いに任せて、シリーズの完結編を読む。
 テキストは小津映画『東京物語』のシナリオ。映画は出だししか見たことがない。なぜ全部見てしまわなかったのかというと、地域コミュニティーだか何かの研修を受講したとき、研修資料として映画の冒頭が使用されたからであって、それで全編見たような気分になっていたのである。
 例によって、教室の生徒の習作が拷問である。今回は70ページもある。
 紹介されている本は、加藤秀俊『取材学』(中公新書)、大江健三郎『新しい小説のために』(岩波新書)。後者は『新しい文学のために』のことだろうか。この2冊は読んでおこう。
 奈良のこの本に関しては、内容を忘れるべしとか言う以前に、別に読まなくたっていいような気がする。ストーリー・ボードを作るとより精密なプロットが出来上がるというのは、私のような素人にはまたまた新たな発見であったが、そんな複雑なもの書くはずがない。