本の覚書

本と語学のはなし

『1週間でマスター 小説を書くならこの作品に学べ! 小説メソッド2〈実践編〉』

●奈良裕明『1週間でマスター 小説を書くならこの作品に学べ! 小説メソッド2〈実践編〉』(雷鳥社
 以前に第1弾を読んでいるのだけど、内容はあまり覚えていない。当たり前すぎることばかり書いてあったせいだろうか。仮にとても有益なことが書いてあったとしても、そんなものは忘れてしまわなければいけない。
 で、唯一(でもないが)記憶に残っているのは、ハコガキを作るべしということ。私が小説らしきものを書いたのは、中学と高校のほんの一時期、短いものを少しだけ。ハコガキなんて高度な作業はしたことがなかったから(いやいや、創作ノートやメモすらなかったのではないか…)、ほほぅ、複雑なプロットはこうして作るものなんだな、と感心したのである。
 常日頃、何か一つ表現の形態を身に付けたいと思っている。思い当たる節があるのは、エセーかコント。買ったまま放置しておいたシリーズの続きを読んでみた。
 谷崎潤一郎の『青い花』、宮本輝の『五千回の生死』、山本周五郎の『さぶ』、有吉佐和子の『悪女について』などがテキストとして使われる。それらを読んでいる分には楽しい。奈良の小説学校の生徒のハコガキや習作を読まされるのは、拷問のよう。テクニックは、読んでしまったらきれいさっぱり忘れる方がよい。
 それで、短編小説は書けるのか?