●上野俊哉/毛利嘉孝『カルチュラル・スタディーズ入門』(ちくま新書)
結局カルスタってどうしたらいいのかよく分からなかったが、姉妹編の『実践カルチュラル・スタディーズ』も買って持っているので、近い内に読むことにしよう。
しかし、いずれにしろカルスタ的な政治戦略を持ちながら、サブカルチャーやメディアや都市を論じ、活動していくことはないだろうと思う。私はせいぜい批評理論としてのポストコロニアルに出会うのが関の山だ。本橋哲也の『ポストコロニアリズム』(岩波新書)も読み直しておこう。
もう少し正直に言えば、現在カルスタの直接的な参照項であるか否かは知らないが、私はデリダやフーコーやベンヤミンを読みたくなった。多分読めばよく分からずに投げ出してしまうのだろうけど、そうだとしても私はカルスタって柄ではないのだな。頭がだいぶん古いのかしら。
そう言えば、学生時代、同級生と先生の自宅に飲みに行ったときのこと、君はベンヤミンなんかやりそうだね、と言われたっけ。あの先生の言葉を信じていればよかったかもしれないけれど、あの頃の私の頭脳の古さは現在の比ではなくて、ベンヤミンなんて新しすぎてとてもじゃないが学ぶ気にはなれなかったのである。