本の覚書

本と語学のはなし

マイブーム


 この10年くらいを振り返って、マイブームを洗い出してみる。


ドストエフスキー
 病院で事務員をしていた頃は本をほとんど読まなかった。退職して役所に入る前にスタンダールの『赤と黒』とドストエフスキーの『カラマーゾフ』を読んで、長編の魅力に開眼する。しばらくドストエフスキーにはまる。


◇プチ哲学
 本が読めるとなると、哲学も読みたくなる。しかし、学生時代に訓練を怠り、その後も長らく錆付かせていた頭には、『ソフィーの世界』や新書を読むのがやっと。中島義道永井均野矢茂樹といった人たちが新書の執筆をしてくれていたことで、ずいぶん助かる。


◇英語
 役所の試験に英語もあったことから、久し振りに語学の勉強をする。特に、英語に対するアレルギーがようやく消え去って、職場の昼休みにペーパーバック(シドニー・シェルダンとかダニエル・スティールとか、田舎の書店にも売っているようなもの)を読んだり、NHKのドラマ(「フルハウス」とか)を英語で聞き続けたり。当時は明確な目標を持ってはいなかったが、その時期がなければ現在の決断はなかったかもしれない。


◇韓国語
 同期の中に、学生時代、韓国語を学んでいた人がいるのに触発されて。特に日本語との類似が気になる。韓流ブームに先駆けて「秋の童話」や「冬のソナタ」を見たり、韓国旅行に行ったりする。一時期はメールで韓国人に日本語を教えていた。日本語でだけど。


◇インド
 最初の海外旅行の目的地として、当初有力だったのがインド。主としてバックパーッカーのインド本をよく読んだ。締めは遠藤周作の『深い河』。この作品は、実は学生時代に映画を見ている。カトリックに改宗した頃のことで、代父と自殺未遂の常習者と一緒に。


◇フランス、パリ、フランス語
 結局行ったのはフランス。フランス語が話せないことにショックを受ける。以来、フランス語をはじめとして、フランスのこと、パリのことが気になって仕方ない。やや沈静化したとはいえ、今もブームは続いている。その後も2度パリに行く。人生の転機となった。


◇旅行
 元来出不精なのだが、前の職場で出張がよくあり、仕事の後が休日であったりすると、鎌倉の寺やら永平寺やらへ足を伸ばしてみた。同僚に海外旅行好きの人がいて、触発されて初めて海外に行ってみる。最初の年はパリ、ソウル。地震の年を挟んで、パリ、台北。一昨年はパリにプチ留学。昨年行かなかったのは職場が非協力的であったため。父が倒れたのでどの道行くことはできなかったろうけど、実はこれがかなり不満であったりする。


サンスクリット語、中国語、イタリア語
 語学を勉強し始めたら、学生時代のような気分になってきて、興味に任せていろんな言語に再挑戦したくなった。サンスクリット語と中国語は仏教を学ぶのに不可欠と思われたし、イタリア語は明朗な響きに憧れる。その他、スペイン語、ポルトガル語、現代ギリシア語、ベトナム語などなど。当然ながら韓国語とともに、途中で投げ出すことになる。


◇バッハ
 バッハの「小フーガ」が頭から離れなくて、きっと好きに違いないからとバッハのほとんどの曲のCDを購入。大当たりであった。


キリスト教ミステリー
 元カトリックということもあって、『ダヴィンチ・コード』や『レックス・ムンディ』、グノーシスについてなどなど、一時期よく読んだ。パリでは一応ローズラインも見てきた。しかし、こうしたことは全部、学生時代に聖杯伝説が得意な先生からすでに聞いていた。


◇仏教
 昔からよく出家したくなる。学生時代に得ていた仏教の知識はほぼ臨済禅に限られていたので、ブッダに始まる歴史から各宗派の思想、仏像に至るまで、一通り浚ってみた。現在は道元を読んでいるだけとはいえ、仏教も非常に息の長いブームで、恐らくは何度も再燃を繰り返すことだろう。
 一時期お寺の娘さんとメールのやり取りをしたことがある。あまりに性格が違うので疎遠になった。忘れた頃にまた連絡があったけれど、その時には私は全く寺に入る気はなかった。仏教研究者や修行僧ならともかく、お寺さんになる能力は私にはない。また疎遠になった。


倫理学・哲学
 一昨年の正月に仲正昌樹のドイツ思想の解説を読んでから、倫理学・哲学ブームの到来。原典が読めるような気になって、浪費する。常に関心を持っていなくてはならないのだけど、今後は能力の範囲内で取り組むことにしよう。


◇現代日本文学
 何か自分でも書いてみたくなり、昨年現代日本文学を集中的に読んでみたが、虜にはならない。何が書けるのかもよく分からないままだ。

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