本の覚書

本と語学のはなし

灰色の世界


 だいぶ風邪も癒えてきて、ティッシュの消費も落ち着いてきた。
 そんな穏やかな休日には、カミュカフカで翻訳研究。と思ったけど、特別書くこともない。カフカの池内訳に関しては、いつも同じことを指摘するだけだろう。もちろん感心するところもあるので、今後はそれを拾っていくことにしたい。カミュで「おお」と思ったのは、昔は「カフェ・オ・レ」を「ミルク・コーヒー」と訳していたということ(新潮文庫の初版は昭和29年)。まあ「珈琲牛乳」じゃなくてよかった。


 最近の写真はどれも、いかにも日本海側の冬の空。灰色の世界である。
 小学校5年生か6年生の冬、来る日も来る日も垂れ込める雲と、除雪によって歩道にうずたかく積み上げられた雪によって、私の心までが出口もなく塞がれ、ノイローゼになりそうだった。