本の覚書

本と語学のはなし

養老孟司講演会

 養老孟司の講演会に行ってきた。
 昔『唯脳論』を買ったことがあるが読まなかった。『バカの壁』は買ってないし、立ち読みもしていない。テレビで見たり、保坂和志『季節の記憶』の文庫解説を読んだり、内田樹の語るところを聞いたりしている程度である。
 何を言うかはおおよそ想像できた。論旨は想定の範囲内である。しかし、講演というものは(あまり聴きに行くことはないけど)、精緻な論理を披露する場というよりも、半ばは話芸である。養老孟司はなかなか優秀な講演者であった。


 講演の始まる前、時間があったので池田晶子『14歳からの哲学』を読み始めた。
 当たり前のことがとてつもなく不思議であると驚く感性を忘れてはならない。哲学者ではないけれど、養老もそういう感性を持っている人だろうと思う。


 それから、トルストイの『アンナ・カレーニナ』はとうとう途中で止めることにした。