本の覚書

本と語学のはなし

★花岡喜重『NHK趣味の園芸・作業栽培12か月36 ハイドランジア 紫陽花』(日本放送出版協会
藤井旭『ヤマケイポケットガイド20 星座・星空』(山と渓谷社
田中達也『ヤマケイポケットガイド25 雲・空』(山と渓谷社
木村龍治監修『よくわかる気象・天気図の読み方・楽しみ方』(成美堂出版
池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』(トランスビュー
池田晶子『41歳からの哲学』(新潮社)


 ハイドランジアは西洋で品種改良されたアジサイのこと。我々がふつうアジサイといって思い浮かべるのはハイドランジアであろう。花が好きということはないし、学生時代にはサボテンを枯らした経験があるので決して園芸などには手を出さないつもりである。しかし、この頃アジサイにだけは何か執着があることを発見した。フランスで見たhortensiaの青の見事さが忘れられないからだろうか。
 アジサイといえば、川原田邦彦『NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 アジサイ』(日本放送出版協会)という本も今年の6月に出版されたばかりだが、今は入手できない。内容に問題があったのだろうか、増刷が追いつかないのだろうか。図書館で借りたものが手元にある。こちらも手に入れたい(と言うより、こちらが手に入れば『ハイドランジア』は買わなかったろう)。
 「ヤマケイポケットガイド」は便利そう。『雲・空』の方は、実際に持ち歩いて空を観察するかもしれない。
 毎日天気予報を見ている割に、気象のしくみは分らない。星座を見てギリシア神話を思い浮かべるだけでは不十分であるように、雲を見てその名を言い当てたり、何かの形象を探し当てたりするだけでは、雲の醍醐味は味わえないのではないか。
 池田晶子は、これまで井筒俊彦『意識の形而上学』(中公文庫)の解説で読んだことがあるだけ。池田本人の著作を手にするのは初めてである。私は哲学入門が好きだ。固有名詞と学説に埋め尽くされたものではなくて(そんなもの哲学じゃないと無責任に哲学者ぶる人もいるが、そういうつまらない本ももちろん必要なのだ!)、その人にとって本当に切実な問題を、確実な土台なんて一切ないところから哲学してみせるような本、したがって、その人にとっては全く問題でないようなことを、偉大な哲学者が論じているからといって器用に理解してみせるような鈍感さとは無縁であるような本、そういう本が無性に好きなのだ。と書きながら私が念頭においているのは、永井均とか中島義道のことである。斎藤慶典はどうだろう。
 ところで斎藤は『哲学がはじまるとき』(ちくま新書)で、池田を盟友と呼んだ。「思考することがよいことであり、私たちはもっともっと考える方がよいと信ずる点で、私たちは完全に意見が一致していたと思うから」であり、池田が彼女なりの仕方で徹底して行った「考えること」の証の頂点が『14歳からの哲学』であるとしている。

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