本の覚書

本と語学のはなし

7月

 私の活動は、ときどきとめどなく拡散する。その間、まるで時間も能力も無限であるかのように錯覚している。やがて、それでは本当に学ぶべきことが学べない、それを専一に学んだとしても一生では短すぎるかもしれないのだ、と思い直す。今月は、そうした気まぐれな活動がひとつ、膨張してやがて収縮していった。ややその痕跡を残して、今はまた地味な活動へと戻り、そんな生活にすら肩で息をしている体たらくである。


【読書】
■現代日本文学月間。といっても、最後の『シルエット』を読んだのすら、ずいぶん昔のことのようだ。須賀敦子村上春樹以外は、無理に読む必要はない。気が向いたとき、軽いものしか受け付けないときに。
■今後の日本文学は、鴎外、賢治、芥川漱石、志賀、梶井、須賀、春樹。外国文学は、シェイクスピアモンテーニュドストエフスキーカフカ
■哲学・思想に戻ろう。デカルト、カント、ニーチェフッサールハイデガーレヴィナスデリダ道元
■今月の一冊は、絲山秋子『海の仙人』(新潮文庫)だろうか。あまり自信が持てない。


【語学】
■現代日本文学月間が終わり、今後は語学にもう少し時間を割かなくてはいけない。
小田実の『イーリアス』翻訳に刺激を受けて、ギリシア語とラテン語を再開。英語、フランス語、ドイツ語に集中するべきではないか、と思うのだが、今朝、小田実の訃報に接して、誰もが読めるわけではない古典語を捨ててはならないと決意を新たにする。合掌。


【その他】
■日記。6月末に準備を始め、7月からは完全に引っ越す。
■父はリハビリのために転院。退院まで2か月の予定。この世にまるで言語というものが存在しないかのように、むしろ沈黙すらも存在しないかのようにして、私と父の間の空間は成立する。
新潟県中越沖地震。被害はなかった。