●生田紗代『オアシス』(河出文庫)
初めの5ページで投げ出そうとした。文藝賞なんて信用してないのだ。思いとどまって読んだら、案外面白かった。
ユーモアがあるのがよい。文章は下手だ(もちろん小学生並ということではなくて、作家として)。しかし、下手にうまくなってしまうと、単に耳ざわりのよいユーモアだけしか残らない。ブンガクっぽくなくなるだろう。抱腹絶倒のユーモアではないのだから、それだけで勝負はできない。この人は適度に下手な日本語で書いているくらいがいいのだろう。
と、またも適当な感想を書いてしまった。
- 作者:生田 紗代
- 発売日: 2006/09/05
- メディア: 文庫