本の覚書

本と語学のはなし

『オアシス』

生田紗代『オアシス』(河出文庫
 初めの5ページで投げ出そうとした。文藝賞なんて信用してないのだ。思いとどまって読んだら、案外面白かった。
 ユーモアがあるのがよい。文章は下手だ(もちろん小学生並ということではなくて、作家として)。しかし、下手にうまくなってしまうと、単に耳ざわりのよいユーモアだけしか残らない。ブンガクっぽくなくなるだろう。抱腹絶倒のユーモアではないのだから、それだけで勝負はできない。この人は適度に下手な日本語で書いているくらいがいいのだろう。
 と、またも適当な感想を書いてしまった。

オアシス (河出文庫)

オアシス (河出文庫)