●舞城王太郎『熊の場所』(講談社文庫)
「熊の場所」「バット男」「ピコーン!」の3作を収める。
書かれていることの凄惨さにもかかわらず、この文体のために救われていると思っている人は多いようだけど、逆ではないか。全てが許されるこの文体だからこそ、凄惨な事件が生じずには済まないのではないか。
しかし、町田康の時もそうであったが、もっと無茶な文体を想像していたのに、案外ありえる範囲内であった、というのが正直な感想だ。
この本はマイジョー入門として認知されているようだけど、私はとりあえず入門だけにして、長編は遠慮しておこう。
- 作者:舞城 王太郎
- 発売日: 2006/02/16
- メディア: 文庫