したがって共観福音書は互いによく似ていながら、多くの点で非常に異なっている。共観表は、その異同を並行記事を並べて表にすることで見やすくしたものである。
佐藤研は岩波の共観福音書を一人で訳している。最初から共観表を作るつもりで、比較しやすいように訳を作っていたと言う。日本語としては不自然でぎこちないけど、なるべく原文が透けて見えるように、統一したルールを適用しているのだろう。
特徴としては、ヨハネ福音書やトマス福音書も、更には使徒行録やパウロの手紙なども、並行関係がある限りにおいて比較されていること。
色分けと下線、網掛けを組み合わせて、ギリシャ語の単語レベルでの異同まで見えるようしたこと。
どのようにそれを行っているのかは、自分の目で確かめてもらうのがいいのだけど、佐藤がインターネット上で公開しているギリシャ語版共観表があるので、参考になろうかと思う。