本の覚書

本と語学のはなし

2007-07-13から1日間の記事一覧

『猛スピードで母は』

●長嶋有『猛スピードで母は』(文春文庫) 芥川賞の表題作と「サイドカーに犬」を収録する。タイトルが苦手だ。 親は離婚するか、既にしている。これは長嶋作品の基調であるらしい。「サイドカーに犬」では、家を出た実の母親よりも父の愛人の洋子さんの方に…

『トリツカレ男』

●いしいしんじ『トリツカレ男』(新潮文庫) トリツカレ男のジュゼッペとペチカとハツカネズミ、それから死んでしまったタタンの、童話のように描かれたなかなかいい話。 病院で読むにはちょうどよい。 リハビリ中心の治療に切り替えるため、今朝、父はN病…