本の覚書

本と語学のはなし

2007-07-08から1日間の記事一覧

『アンナ・カレーニナ(上)』

●トルストイ『アンナ・カレーニナ(上)』(中村融訳,岩波文庫) 兄の不倫による夫婦仲の危機を調停するため、アンナはペテルブルクからモスクワに向かう。そこで彼女はウロンスキーと出会い、自らも不倫へとのめり込んで行く。 中学時代に読んだけれど、退…

『熊の場所』

●舞城王太郎『熊の場所』(講談社文庫) 「熊の場所」「バット男」「ピコーン!」の3作を収める。 書かれていることの凄惨さにもかかわらず、この文体のために救われていると思っている人は多いようだけど、逆ではないか。全てが許されるこの文体だからこそ…

『海の仙人』

●絲山秋子『海の仙人』(新潮文庫) いきなりファンタジーなる神らしきものが現れるから、メルヘンだろうか、何かのパロディーだろうかと思って、福田和也が「偉大な作家の登場」というのもまた文庫解説の常套的誇張表現かと高をくくり始めたが、それなりに…