モンテーニュ『エセー』第1巻第48章「軍馬について」を読了する。 主に馬の話である。鉄砲などという飛び道具には信頼を置かず、いずれ廃れるのではないかという予想もしている。モンテーニュは、鉄砲が日本に伝来した頃の人である。 Essais, Les作者:Montai…
ガリア戦記 (岩波文庫 青407-1)作者:カエサル岩波書店Amazon 7年にわたるガリアでの戦闘の記録。淡々と客観的に描かれており、カエサル自身について語るときも、「わたし」ではなく「カエサル」と三人称が使われる。 弁論にも長けていたと言われるが、文筆家…
Essais, Les作者:Montaigne, Michel DeImprint unknownAmazonエセ- (2)作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon モンテーニュ『エセー』第1巻第47章「われわれの判断の不確実なことについて」を読了する。 戦場での判断について、同じ戦略が正反対の結果…
メノン (岩波文庫 青 601-6)作者:プラトン岩波書店Amazon 想起説は登場するが、イデア論には言及されない。中期著作群へあと一歩というところまできて、模索している作品のようである。 それにしても、私にはどうもプラトンの対話篇が肌に合わない気がする。…
エセー 3作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon 『エセー』第2巻第1章「われわれの行為の移ろいやすさについて」から第11章「残酷さについて」を収める。 第4章「用事は明日に」では、アミヨによるプルタルコスの翻訳に触れている。 彼の翻訳のいたる…
【読書・語学】 ▼原典講読は以下のとおり。 ▼モンテーニュ『エセー』第1巻第39章(第38章)「孤独について」から第47章「われわれの判断の不確実なことについて」まで。 ▼セネカ『生の短さについて』。 ▼プルタルコス『どのようにして若者は詩を学ぶべきか』…
モンテーニュ『エセー』第1巻第46章「名前について」を読了する。 いろんな野菜が入っていてもサラダと総称されるように、名前に関する様々な考察を一括りにして「名前について」という考察にまとめたものである。 たとえばアミヨがプルタルコスを訳したとき…
Newton(ニュートン) 2024年4月号 [雑誌]ニュートンプレスAmazon 予定を変更して緊急特集が組まれた。 能登半島で群発地震が頻発していたことは誰でも知っていることである。ところが、この辺りはプレートが沈み込む海溝であるため、海溝型地震として扱われ、…
道元禅師全集: 原文対照現代語訳 (第1巻)作者:道元,水野 弥穂子春秋社Amazon ただ坐上の修しゅのみにあらず、空くうをうちてひびきをなすこと、撞たうの前後に妙声めうしやう綿々めんめんたるものなり。(p.11) ただ坐禅修行のときだけではなく、空くうを打っ…
モンテーニュ『エセー』第1巻第45章「ドルーの戦いについて」を読了する。 ドルーの戦いとは、第1次宗教戦争のときに、パリ西方80キロの町ドルーで行われたカトリックとプロテスタントとの戦闘のこと。 カトリック側では、モンモランシー元帥が窮地に陥る中…
モンテーニュ『エセー』第1巻第44章「睡眠について」を読了する。 アレクサンドロスや小カトーのように、戦闘の前や命の危険があるときにも、平然と眠ることのできるほど肝のすわった英雄もいる。 一方、小心や憔悴のために、戦いの前に、あるいは戦闘中にさ…
パイドロス (岩波文庫 青 601-5)作者:プラトン岩波書店Amazon セネカとプルタルコスの全作品を読破したいところだが、無職のため本の購入を控えているところであるから、しばらくは手元にあるギリシア・ローマの古典を読むことにする。 プラトンでは、しばし…
モンテーニュ『エセー』第1巻第43章「奢侈取締令について」を読了する。 奢侈取締令はモンテーニュの頃に何度か出された華美を禁ずる法令であるが、宮廷人が贅沢をやめなかったために、効果は上がらなかった。 まず王侯から質素な身なりをすれば、それが自ず…
エセー 2作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon 第1巻第26章から第57章まで収録。これで第1巻は終わりである。 宮下志朗はラブレーと同時進行でモンテーニュを翻訳していた。信じがたいことである。過密なスケジュールのせいかどうか知らないけれど、…
モンテーニュ『エセー』第1巻第42章「われわれのあいだの個人差について」を読了する。 人間同士の間の個人差は、人間と動物との差よりも大きいのではないか、とモンテーニュは疑う。 もっともこれは賢人と愚者との差異のことであって、王侯と庶民の間には取…
サテュリコン: 古代ローマの諷刺小説 (岩波文庫 赤 122-1)作者:ガイウス ペトロニウス岩波書店Amazon ペトロニウスの『サテュリコン』とセネカの『アポコロキュントシス』を収録。この2人は、ともにネロの時代に生き、ともにネロに強いられ自殺したのである…
プルタルコス英雄伝 下 (ちくま学芸文庫 フ 8-3)作者:プルタルコス筑摩書房Amazon 収録されているのは、クラッスス、ポンペイウス、カエサル、キケロ(付比較)、アントニウス。天寿を全うした人は一人もいない。 キケロが比較されているのはデモステネス(…
モンテーニュ『エセー』第1巻第41章「みずからの名声は人に分配しないこと」を読了する。 名声や名誉ばかりは、哲学者にだって完全に断ち切ることは難しい欲望である。 だが、中には自分の名誉を犠牲にした例もないわけではない。後半はそういう話がいくつも…
モンテーニュ『エセー』第1巻第40章(第39章)「キケロに関する考察」を読了する。 モンテーニュはキケロの完成された修辞に重きを置かない。重要なのは内容である。そこから、自身の文体について語り始める。なかなか興味深い自己分析である。 なお、1595年…
モンテーニュ『エセー』第1巻第39章(第38章)「孤独について」を読了する。 隠遁のすすめである。キケロや小プリニウスのごとく、後世に名を残す事業のために余暇を必要としたのとは一線を画す。セネカやエピクロスのように、ただ自分の内に引きこもりなさ…
【読書・語学】 ▼モンテーニュ『エセー』第1巻第31章(第30章)「神の命令に口出しして判断するのは、慎重にしなくてはいけない」207頁から第39章(第38章)「孤独について」244頁まで。 ▼セネカ『幸福な生について』17.2から28.1まで。読了。『生の短さにつ…
Newton(ニュートン) 2024年3月号 [雑誌]ニュートンプレスAmazon 第1特集は「バイアス大図鑑」。 人間の心にはある種の傾向がある。考え方や判断に、必ずしも合理的ではないのに、多くの人に共通する癖のようなものがあるのだ。 たとえば、多くても少なくても…
今日からセネカの『生の短さについて』を始める。参照する翻訳は、引き続き岩波文庫の大西英文のもの。 ラテン語の方も最近はフランスの辞典を使っている。プルタルコスほどではないが、セネカにおいても、時々コンパクトな字引には見当たらない単語が使われ…
セネカ『幸福な生について』を読了する。 セネカが莫大な資産を有していたことに、言行不一致との批判もあったようで、この書にはそれに対する自己弁護と思われるような文章も存在する。 あってもなくても構わないが、あるに越したことはないものが存在する…
プルタルコス英雄伝〈中〉 (ちくま文庫)作者:プルタルコス筑摩書房Amazon 中巻に収められているのは、アレクサンドロス、アギスとクレオメネス、ロムルス(付比較)、カトー(付比較)、ティベリウス・グラックスとガイウス・グラックス(付比較)、スルラ。…
モンテーニュ『エセー』第1巻第38章(第37章)「われわれは、同じことで泣いたり笑ったりする」を読了する。 比較的短い章が多かったので、今月はたくさんの章を読むことができた。たぶん次の第39章(第38章)を終えるのは来月に入ってからになる。 それにし…
プルタルコス『いかにして敵から利益を得るか』を読了する。 Moralia, II: How to Profit by One's Enemies. On Having Many Friends. Chance. Virtue and Vice. Letter of Condolence to Apollonius. Advice About Keeping Well. Advice to Bride and Groom…
モンテーニュ『エセー』第1巻第37章(第36章)「小カトーについて」を読了する。 小カトーはストア派の英雄であって、セネカもほとんど理想の賢人として描いている。カエサルと対立して、最後は北アフリカのウティカで壮絶な自殺をした。ウティカのカトーと…
エセー〈1〉白水社Amazon モンテーニュに初めて触れたは学生時代のことだった。岩波文庫の原二郎訳『エセー』を一気呵成に読んだ記憶がある。 次は2020年の終り頃から2022年7月まで、2年近くかけて関根秀雄訳の全集を読んだ。『旅日記』や書簡なども含まれて…
モンテーニュ『エセー』第1巻第36章(第35章)「服の着用という習慣について」を読了する。 Essais, Les作者:Montaigne, Michel DeImprint unknownAmazonエセー〈2〉作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon Et puis que nous sommes sur le froid, et F…