本の覚書

本と語学のはなし

TIME June 26, 2017

Time Asia [US] June 26 2017 (単号)

Time Asia [US] June 26 2017 (単号)

  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 雑誌
 CNN ENGLISH EXPRESS は最新のニュースを扱っているわけではないし、世界の流れを把握できるよう配慮されているわけでもなく、あくまでも語学用のテキストであるわけだが、TIME を読むうえで全く参考にならないわけではない。


 例えば EE 7月号には、ウーバーの自動運転車が事故を起こしたというニュースがあった。事故の原因は相手側にあるようで、このニュース自体はウーバーの抱える諸問題を指摘しているわけではないが、今号の TIME はその問題点を掘り下げている。
 ウーバーは、自動運転技術を巡っても、グーグルから企業秘密を盗んだとして訴えられているという。


 また、頭の切れるセクシーな CNN のアンカー、アンダーソン・クーパーは、イバンカ・トランプ利益相反について追及する。専門家(ブッシュ元大統領の主任倫理顧問弁護士)は、イバンカよりも大統領の方が問題であると指摘する。

He has refused to stop taking payments from foreign governments that violates the emoluments clause of the Constitution. (EE July 2017, p.108)

 「The emoluments clause of the Constitution」というのは、憲法に規定された報酬条項のことである。
 TIME にもこれに関連したごく短い記事が載っていた。

Democrats take Trump to court
Nearly 200 Democrats in Congress sued President Trump for improperly accepting payments from foreign governments, claiming his actions violated an emoluments clause of the U.S. Constitution. It’s the third such lawsuit Trump faces. (p.6)

CNN ENGLISH EXPRESS July 2017

 今まで耳を澄まし口を動かすという勉強法を、積極的には取り入れてこなかった。しかし、シャドーイングはやるべきものだ。
 誤解していた。短い文を聞きいたら、音声を止めて聞こえたとおりに発声してみるのがシャドーイングだと思い込んでいた。しかし、これはリピーティングというらしい。
 シャドーイングはそうではない。文章を聞きながら、まだ文章の終わる前に、聞こえたままに発声し始めるのだそうである。つまり耳は一歩先を行き、口は一歩後を行くのである。
 かなり難しい。私は初心者だから、スクリプトを見ながらシャドーイングをやっている。このやり方でも大分集中力が増してきた。


 シャドーイングにディクテーション(ヒアリングしたものを文字に起こす作業)と反訳(日本語訳からもとの英文を再現する作業)を組み合わせると、最強の学習になるようだ。
 今月はそこまで余裕がなかった。しかし、八月号で精聴と反訳の特集をしているので、チャレンジしてみたい。


 発音はさまざまである。試験のリスニング問題のようにきれいに話してくれる人ばかりではない。音が変わったり、飲み込まれて発音されなかったり、前後の単語が繋がったりする。スクリプトを見ていてさえついて行けないこともある。
 口語はしばしば文章ほど明晰ではない。構文が崩れていたり、文法的に誤っていたりすることすらある。そういうことにも慣れて行かないといけない。
 とりあえず六か月の定期購読を申し込んだ。魔法のように効くとは思っていないが、しかし、一か月シャドーイングをしただけもだいぶ違う。継続すればそうとう耳が開かれていくはずである。

英検1級 英単語大特訓/植田一三

MP3CD-ROM 英検1級英単語大特訓

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 単語集は家で『大特訓』、職場で『パス単』をやることにしている。
 『パス単』の方は、基本的に左ページのみを使って、高速で単語の発音と意味を確認する。今のところは一か月で一巡するくらいのペース。ダウンロードした音声は通勤時に聞く。
 『大特訓』は全てに目を通し、音声を聞きながら発音練習をする。一巡するのに、一か月半から二か月くらいかかるかもしれない。


 『大特訓』は三つの章から成る。
 第一章は一般語彙。類義語を集めた一覧表(一級レベルだけではなく、基本語も含まれる)があり、その中の重要語をいくつか含む例文は過度に負荷がかかっている。さらにいくつかの重要語はコロケーションでも記憶できるように配慮されており、それらの使い分けに関するコメントも付いている。一覧表を作るほどでない類語グループは、別にまとめられている。
 第二章は句動詞・イディオム。類似する意味のものが集められている。グループを形成しないイディオムも別にまとめられており、表現の数もかなり充実している。
 第三章は時事英語。分野別の語彙集である。『スーパーボキャブラリービルディング』に比べるとおまけ程度という感じもするが、こちらにしかない表現もちらほらある。


 決して使いやすくはない。
 レイアウトが悪くて覚えにくい。追加情報を思いつくままに書き込んだ、個人の未整理のノートのような趣もある。
 索引がない。
 音声の日本語部分が煩わしい。第一章の例文を読む前には必ず「驚異のスーパー語彙力加速的アップ例文」、コロケーションに入る前には必ず「コロケーションとニュアンスで発信型英語力アップ」と読み上げられる。
 とはいえ、これほどの情報をこれほどコンパクトに納めている本はそうないだろうから、胡散臭い部分も含めて、上手く付き合うべきである。

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