本の覚書

本と語学のはなし

TIME March 20, 2017

Time Asia [US] March 20 2017 (単号)

Time Asia [US] March 20 2017 (単号)

  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: 雑誌
 ミャンマー北部、インドと中国に挟まれた地域にある Hpakant というヒスイの村への潜入ルポが面白かった。闇は深い。

Sequestered from the outside world, Hpakant radiates a gold-rush lawlessness. Unexplained killings occur with regularity. While we are there, a schoolteacher is shot in the head. The day before, a jade trader died from an executioner’s bullet. Last year bombs exploded at the headquarters of two mining companies. In November, a jade scavenger at Hmaw Sisar mine was shot dead by military intelligence or the KIA, depending on who’s telling the story. “There is no real law in Hpakant,” says one of the immigration officers holding us, with a touch of apology. “We don’t know who to trust.” (p.29)

 KIA とは Kachin Independence Army の略で、カチン州の武装グループである。この地に流れ着き、ヒスイに群がるスカヴェンジャーたちは、大抵麻薬中毒であり、注射針を使いまわしているために大抵エイズ感染者でもあるという。
 そんな地域でも、中国の商人は自由に出入りできるようである。

超図解ハイデル【購入】

 上。キリスト教の教義とか聖書の内容だけではなく、現代社会を理解するために必要なティップスがいろいろと簡単に紹介されている感じの本。
 下。16世紀に書かれた歴史的な信仰問答。強烈にプロテスタント的である。


世界史B一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 高速マスター)

世界史B一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 高速マスター)

  • 作者:斎藤 整
  • 発売日: 2013/10/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 職場でタイムを読む傍ら歴史も勉強してみようかと買ってみた。受験するわけではないので、一問一答なら山川のやもっと簡単で薄いもので十分だったかもしれない。
 実際に職場で使うかどうかはまだ分からない。

エンキリディオン 小教理問答/マルティン・ルター

 宗教改革500年記念として訳されたルターの『エンキリディオン』。これまで『小教理問答』だけで出版されたことはあったが、『エンキリディオン』全体が一冊の本になったのはこれが初めてであるという。


 「小教理問答」の主たる部分は、十戒使徒信条、主の祈りをめぐる質問と回答である。キリスト教の根幹はこの三つに要約されるということだろう。
 更に、洗礼や懺悔や聖餐についても書かれている。洗礼と聖餐がプロテスタントにおいてもサクラメントとして認められているのは知っていたが、ルターは懺悔もそのようなものとして考えていたようだ。これは新しい発見である。

懺悔とはなんですか。


答え 懺悔には二つの部分があるのだ。ひとつは人が罪を告白することで、もうひとつは人が、懺悔を聴いてくださる方から赦免、すなわち赦しを神ご自身からのものとして受け取り、しかもこれを疑わずに、罪はこれによって天の父の前で赦されたのだと堅く信じるのだよ。(p.46-47)

 文体に疑問を持つ人もいるかもしれないが、これは子の質問に対する父の信仰告白としての答えであるという、徳善義和の説を反映したものである。


 「小教理問答」に続いて、「朝の祈り、夕の祈り、食事の感謝」「いくつかの聖句による家訓」「結婚式文」「(嬰児)洗礼式文」が載せられている。
 結婚はこの世の出来事であって、サクラメントではない。教会の口出しすることではない。しかし、婚姻する者からの依頼があれば、式を司ることを断ることはない。そういうスタンスであるようだ。
 一方、幼児洗礼ははっきりと認めている。プロテスタントの中でも幼児洗礼を行うか否かは意見の分かれるところだが、ルター派は今でも肯定的であるようだ。