本の覚書

本と語学のはなし

カトリック要理Q&A/大山繁

カトリック要理Q&A

カトリック要理Q&A

  • 作者:大山 繁
  • 発売日: 2014/11/03
  • メディア: 新書
 カトリックとして知っておくべき最低限の事柄のみに絞って書かれている。ただし、聖母崇敬の傾向はかなり強調されている。
 私としては、この本でカトリックを学ぼうと言うつもりはない。プロテスタントの小教理問答を読む際に比較材料としたいのである。

24 カトリックの教えの特徴は何ですか
 一、聖、公、使徒継承という4つの特徴があります。
 一とは全世界のカトリック信者は教皇と一致していて、信仰宣言、秘跡も一致しているということです。
 聖とは、信じる人に神の命を与え、主キリストに似るように成長させるということです。
 公とはすべての人、すべての民族がカトリック教会の一員になれるという意味です。
 使徒継承とは、イエスの教えを12人の弟子とその後継者である司教が、間違うことなく、教え続けているという意味です。主イエスが救い主であり、神の御子であると信じて、主キリストに従う洗礼を受ける者に、神の子の資格を与え、永遠の命を与えることができます。これは主イエスによって弟子たちに与えられた権能です。(p.36)

 プロテスタントしか知らない人が読むと、びっくりするような文章だろう。

TIME February 20, 2017

Time Asia [US] February 20 2017 (単号)

Time Asia [US] February 20 2017 (単号)

  • 発売日: 2017/02/11
  • メディア: 雑誌
 職場にはまた聖書を持って行き、タイムは家で一気に読もうかと考えているところ。
 今のところ一気読みと言っても、丸一日費やすことになるだろう。挫折する可能性大である。しかし、適度に辞書を引きながら、今までより少しばかり丁寧に読んでいれば、やがて速読できるようにもなるだろう。そもそもタイムの難しさは、文章の複雑さにあるわけではない。


 日本関連の文章がいくつかあった。大きなものでは、遠藤周作原作の映画『サイレンス』のことと、横山秀夫の『64』のこと。横山作品の英訳はこれが初めてだそうである。


 今週の引用は、ギリシャにいるシリア難民のその後を追う企画の続報から。

There is no call more important to the Syrian refugee stranded in Greece than the one from the Greek Asylum Service informing her that finally, after months of agonized waiting, there is a European nation willing to take her in. The polite man on the other end of the line won’t name the country; instead, he instructs the refugee to take a chartered bus to Athens for an in-person interview―these usually take place within the next 24 hours. “It is a destiny-defining moment,” says one refugee, who put off buying diapers for his newborn daughter in order to save up for a battery charger for his phone. “You can’t afford to miss that call. You bring your phone with you everywhere you go. You never let it die.”

 その大事な命綱の携帯を、Heln の両親は部屋に置きっ放しにしてしまった。子供を救急車に乗せて病院に向かう際に、慌てて忘れてしまったのだ。運命の電話はその間に来た。
 結局面接に行くことはできたのだが、子供の健康のリスクを冒してまで、長時間のバスの旅をしなければならなかった。
 そして、彼らが言い渡された最終目的地は、国名すら聞いたことのないエストニアであった。

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カトリック要理Q&A

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  • 作者:大山 繁
  • 発売日: 2014/11/03
  • メディア: 新書
 上の二書は歴史的なプロテスタントの教理問答書。一番下の書は子どもでも読めるカトリックの要理Q&A。
 今年はカトリックを学び直すのが目標の一つであったが、この頃はプロテスタントへの傾きも感じている。

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そうか! なるほど! ! キリスト教

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  • 発売日: 2016/09/20
  • メディア: 単行本
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 上の書はかなり進歩的な内容の入門書。執筆陣の中には、カトリックの人もいる。同じ傾向の人しか集まらない教派もあるだろうけど、普通はどんな教派にも保守的な人もいれば進歩的な人もいる。福音主義者もいれば自由主義者もいる。
 下の書は日本基督教団の「信仰生活の手引き」シリーズの一冊。もし私がプロテスタント教会の門を敲くとすれば、近場から選ぶなら、会衆派の流れをくむ日本基督教団の教会だろう。

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 聖書を神の一筆書きのように信じている人もいるだろうが、実際には複雑な編集過程を経て形成されたものであるというのが今日の聖書学の常識である。
 様々な生活の座において生みだされた伝承の様式を明らかにしようとするのが様式史であり、それらの伝承が記者の神学的関心に従っていかに編集されたかを探求するのが編集史である。