本の覚書

本と語学のはなし

旧版ボキャビル【購入】

 新版と比較すると、旧版は理系分野語彙が少ない。医学と環境以外は全部ひとまとめでサイエンス・テクノロジーとして扱われている。ただし、工業英検を受けるつもりのない私にとっては、新版には不要の単語も多いわけだが(日本語訳を見ても何のことか分からないものもある)。
 文系分野語彙はおそらく旧版の方が充実しているが、新版にしか出てこない単語もけっこうあるようだ。どちらがよいとも言い切れない。
 日本事象語彙は新版にしか存在しない。通訳ガイドを目指す人のために加えられたのだろう。
 一般語彙は、新版がコロケーションで覚えることを重視しているのに対して、旧版は同義語をまとめることの方に力を入れている。例えば、新版では feasible という形容詞を扱うのに〈feasible (plan, project, approach, excuse)(実行可能な)――「計画・手法」と主に結びつく〉と記述しているのに対して、旧版の方は〈(feasible, viable, practicable) plan――実行可能な計画 (= workable)〉となっている。なお新版では、viable も practicable も workable も扱われていない。それぞれに長所はあるだろうが、おそらく語彙数から言えば旧版の方に軍配が上がる。


 タイムを読むことだけが目的なら、旧版の方がいいんじゃないかという気がする。とは言え、新版も捨てがたいので、しばらくは交互に見ていくことにしよう。

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 教理史だから、神学的な主題ごとに、誰それは何々主義でどうこうということが書かれている。初期キリスト教思想史の主要な登場人物とその思想をしっかり把握した上でないと、なかなか読みこなせそうにない本だった。
 よい参考書を探さなくてはならない。

歴史参考書【購入】

 無駄にやさしい歴史参考書が増えてしまっている。簡単に高校レベルの世界史と日本史を振り返ることのできる本を探しているのだが、結局これが一番いいのかなという気がする。やさしいけれど、ぱっと見たかぎり省略しすぎてもいない感じ。
 参考書はほとんど使われないまま直ぐに売られることも多いので、状態のいいものでも一円(送料は別)で買えたりする。助かる。

新版も出ています

これでわかる日本史B 新訂版 (高校これでわかる)

これでわかる日本史B 新訂版 (高校これでわかる)

  • 作者:瀧音 能之
  • 発売日: 2015/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 最新版はなかなか一円では買えない。入手するなら、新品の方が気持ちよく使えるかもしれない。
 参考書は新しくなるほど見やすくはなるが、内容はその時の課程に左右されるし、著者が変わることもあるので、情報量の増減に関して確かなことは言えない。

こちらも持っています

理解しやすい世界史B (改訂版)

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  • 作者:愛宕 元
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 単行本
理解しやすい日本史B (改訂版)

理解しやすい日本史B (改訂版)

 本当はこれを通読しようと思ってたのだけど、途中で面倒くさくなってしまった。
 厚いからといって網羅的とも限らないのも厄介なところだ。今の教科書には載っていないのかもしれないが、例えばヒッタイトがエジプトのラメセス(ラメス)二世と戦った戦の名前がカデシュの戦いであることや、エフェソス公会議ネストリウス派が異端とされたことが書かれていない(なぜか『これでわかる』の方にはいずれも記載がある)。
 参考用にするのか、いずれ再び通読にチャレンジするのかはまだ決めていない。

後者の新版も出ています

理解しやすい世界史B

理解しやすい世界史B

理解しやすい日本史B

理解しやすい日本史B

 定価で買おうとすると、参考書としてはかなりお高い。